天の川探訪2020

スポンサーリンク
大洗にて大洗磯前神社の鳥居と天の川
大洗にて大洗磯前神社の鳥居と天の川

今年は海上に横たわる天の川を撮影すべく、2月のシーズン開始と共に天の川スポットとして有名な茨城県大洗市を訪れます。連休のど真ん中で混雑が予想されましたが深夜に現地入りした甲斐があり、何とか大洗磯前神社の鳥居天の川を構図に収められる場所を確保できました。そして、期待していた海上に横たわる天の川に美しい朝焼けまでもが加わった、何ともカラフルで贅沢な景色を撮影することができました!

撮影はPENTAX K-1HD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WRHD PENTAX-D FA50mmF1.4 SDM AWです。Lightroomで現像した後にStarry Landscape Stackerでノイズ低減しています。

天気図
天気図

当日は晴れの予報とは言え撮影地周辺を覆う雲が不安材料だったので、現地に到着して夜空に星が見えてまずは一安心しました。が、それも束の間、駐車場の混雑具合に「天の川が現れる時間までは仮眠して…」なんて余裕もなく、そそくさと場所取りと機材セッティングを済ませて3時間近くもその場で待機する羽目になりました(汗)

大洗にて大洗磯前神社の鳥居と天の川
大洗にて大洗磯前神社の鳥居と天の川

4時頃にようやく念願の海上に横たわる天の川を撮影することができました。今年初めての天の川が写り始めると、仕事上がりで直行して仮眠なしに3時間立ちっぱなしだった疲れなんて忘れますね(白目)。ともあれ、この日は2月とは思えない暖かさで本当に助かりました。

大洗にて大洗磯前神社の鳥居と朝焼け
大洗にて大洗磯前神社の鳥居と朝焼け

天の川も完全に消え撤収しようかという時間になると、いつの間にか日の出待ちの人々で賑わい始めていました。ここまで居て日の出を撮らないのは少々もったいない気もしましたが、主目的は果たしたので無理をせずに撤収します。もったいないと言えば、せっかくの遠征でも午前中は車内で爆睡、良くて温泉入って食事して帰るだけなのが何とも口惜しいです(泣)

大洗にて大洗磯前神社の鳥居と天の川
大洗にて大洗磯前神社の鳥居と天の川

これまではソロか友人との撮影がほとんどで気になりませんでしたが、人気スポットならではというか…人が多いと思いがけないストレスも。この写真は他人の赤色ライトで前景が照らし出されてしまいました。ビクセン 天体観測用ライトSG-L01は便利で私も愛用していますが、頭に装着していると思いがけず前景を照らしてしまうんですよね。周囲に人がいる時はトラブルにならないためにも気を付けたいものです。

犬吠埼灯台にて天の川
犬吠埼灯台にて天の川

3月には天気図と睨み合いをしながら千葉県銚子市の犬吠埼灯台を訪れます。現地は想像以上に灯台の光が厄介で一旦は撮影を諦めかけましたが、気を取り直して遊歩道の最尖端のこの場所で撮影を始めます。この日も暖かくて油断していたら角型フィルターが曇ってしまい、慌ててフィルターフードを装着しました(汗)この写真はフィルターの曇りの影響なのか?流れていた霧の影響なのか?思いがけずソフトフィルター効果が現れました(笑)

犬吠埼灯台にて天の川
犬吠埼灯台にて天の川

ソフトフィルターは過去にCokin X850 ディフューザー 3を使用して、周辺の光源の歪みと地上風景のソフト感が気に入りませんでしたが、このくらいの自然さで効果が出ると良いですね。最近発売されたKenko プロソフトン クリアは「風景はクリアなまま星座を際立たせる」事ができるみたいなので、角型が発売されたら導入したいと思っています。

犬吠埼灯台にて天の川
犬吠埼灯台にて天の川

こちらはフィルターフードを装着してフィルターの曇りを取ってから撮影しています。同時に常に流れていた薄霧も晴れたみたいで、結局どちらがソフトフィルター的な役割を果たしたかは分かりませんでした。とりあえず、フィルターフードで角型フィルターの結露を防ぐことができると分かった事が収穫でした。

奥多摩湖にて天の川
奥多摩湖にて天の川

3月下旬の新月辺りで去年と同じく奥多摩湖を訪れます。一度目で天の川を撮影できたのは幸運でしたが、ご覧の通りが開花するような気配もなく、狙っていた天の川のコラボは今年は難しそうな雰囲気でした。

奥多摩湖の桜と天の川2020
奥多摩湖の桜と天の川2020

ところが、予想を超えてが早く開花してくれたので、天の川の条件としては厳しい日程でしたが撮影を敢行しました。月明かりの影響のためか?天の川は去年より薄いものの地上風景が綺麗に写り満足いく撮影ができました。今回は撮影条件を選びようがありませんでしたが、天の川と組み合わせる風景次第では微妙に新月を外すのもアリなのかも知れませんね。

さて、今年の星景は全てmy new gearHD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8用のKANI フィルターホルダーに光害カットフィルターのKenko スターリーナイトを装着、更にその上から角型フィルターの結露防止でフィルターフードを掛けて撮影しています。その効果は見ての通りで去年撮影した星景とは発色がまるで違いました。スターリーナイトフィルター星景だけでなく夜景にも効果を発揮するので、アダプターリングセットも用意して各種レンズで使えるようにしましたが、見た目が大変大仰なため街中で使うのは憚られますね(汗)

4月以降はコロナ禍に突入してしまって全く撮影に行けていませんが、それ故の反動なのか機材投資が捗りました(笑)ここ数回の撮影でルーペの取り扱いがストレスだったので、Hoodman 屋外ルーペ3倍拡大アイカップ、そしてそれを固定するLeofoto AM-4を追加してみました。これでプレビュー時に液晶モニターの光が外に漏れることもなく覗き込むだけで良くなりました。セットアップは…もともと面倒なのでこれくらいの手間ならば許容範囲です(笑)

PENTAX K-3 天体改造
PENTAX K-3 天体改造

そして、最近になってペンタックス機でも天体改造が可能ということを知り、試しに一度も使ったことのないPENTAX K-3(本当はアストロトレーサー機能内蔵のK-3 IIが欲しかった)の天体改造機を入手しました。天体改造機でもマニュアルでホワイトバランス設定すれば通常撮影ができるようで、ひとつ前の機材写真はこのK-3天体改造機で撮影しています。

8月中旬、天の川の撮影条件が良い時期とペルセウス座流星群が極大を迎える時期が重なったので、重い腰を上げて奥多摩湖へ撮影に向かいしました。時間の割に車が多いなとは思っていましたが…、奥多摩湖の駐車場付近は路駐も見受けられ混み合っているようでした(汗)せっかくなので今後のロケ地探しがてら車を走らせ、比較的まともに天の川を撮影できる場所を見つけました。流星群は撮影できませんでしたが、この後数日に渡りこの場所で天の川撮影を楽しみました。

大菩薩ラインにてデネブ付近の天の川
大菩薩ラインにてデネブ付近の天の川

広角で星景を狙う感じの場所ではないので、HD PENTAX-D FA50mmF1.4 SDM AW天の川をピンポイントで狙います。景色がないので90秒露出を試してみたところ、ものすごい数の星が写るのはもちろんのこと、赤いモヤ(中央は北アメリカ星雲ペリカン星雲で、散光星雲というらしい)が現像前のRAW画像で視認できたことに驚きました。ペンタックス機はもともとの写りが良いらしいのですが、Kenko スターリーナイトフィルターの効果も大きいのではないかと想像できます。

大菩薩ラインにてデネブ付近の天の川
大菩薩ラインにてデネブ付近の天の川

相変わらず知識に乏しいので、適当に撮ってみて派手なところをフレーミングしていきますが、途中「もしかしてこれが夏の大三角形じゃね?」と気付き(笑)星座アプリと照らし合わせながら撮影しました。私的には右下の赤い部分(散光星雲 IC1396というらしい)とオレンジに輝く星(ガーネット・スター)がどうしても気になり、結果的にはくちょう座が見切れてしまっていました(汗)

長秒露出で天の川星雲をフォーカスした撮影にも興味が出てきましたが、いつも使用しているStarry Landscape Stackerでノイズ除去処理を行おうとすると、下記のような警告が出てしまいました。

Starry Landscape Stacker works best with images that are taken in a short period of time (less than 30 seconds per image) with a wide lens (typically wider than 50mm). It appears that your exposure durations are long or your lens has a narrow field of view (or both). It might not be possible to align the sky in your images. You have three choices. Quit (and consider using Starry Sky Stacker), continue with an alternative alignment algorthim and continue with the normal alignment algorithm. If your images were captured with a equitorial mount try the second option (although quiting and using SSS would be better). If your images were captured with a Pentax camera using AstroTracer choose ‘Continue’. If you continue, there is a serious risk that you will have to force quit Starry Landscape Stacker or your computer will crash.

AstroTracerを使用してペンタックスカメラで画像をキャプチャした場合は、続行を選択します。 続行すると、Starry Landscape Stackerを強制終了しなければならないという重大なリスクがあります。そうしないと、コンピューターがクラッシュします。

G先生の翻訳による重要な部分は上記で、確かに何度か強制終了を繰り返しましたが、何回かリトライしているうちに強制終了せずに処理できるようになりました(謎)いずれにしても、50mmより広い焦点距離で30秒未満で撮影された画像が最適みたいなので、他のノイズ除去ソフトも検討する必要があるのかも知れませんね。

大菩薩ラインにてデネブ付近の天の川
大菩薩ラインにてデネブ付近の天の川

次の撮影ではStarry Landscape Stackerの制限を踏まえて30秒短い60秒露出を試しました。露出不足のためかKenko プロソフトン [A]を使用した影響かは分かりませんが、前回の写真とは全く違った印象になりました。私的には前回の方が好みですが、こちらの方が星が強調され発色も良いので一般受けはしそうな感じがします。最後に90秒露出&プロソフトンクリアで再撮影したかったのですが、以降の天候が芳しく無くこの撮影が今年の天の川撮影納めとなりました。

大菩薩ラインにてデネブ付近の天の川
大菩薩ラインにてデネブ付近の天の川

最近購入したK-3天体改造機でも撮影してみましたが、APS-Cなので焦点距離が1.5倍になりピントが合わせが難しくなる上に、固定モニターでライブビューの拡大が10倍までと、撮影結果以前に改めてK-1の使い勝手の良さを思い知らさせれました。苦労して撮影した写真はピントが少し微妙な気はしますがポテンシャルは感じられました。アストロトレーサーなしの撮影はISO感度的に厳しいですが、いまさらO-GPS1を追加するのも面白くないので、Vixen ポラリエのようないわゆるポタ赤を導入してみようか現在思案中です(笑)

コメント

  1. Kaz_MK2 より:

    今晩は。
    twitterで拝見した機材で撮影された写真がこちらだったのですね。
    扉のなんとも言えないグラデーションに広がる天の川、犬吠埼灯台の天の川とどれも素晴らしく撮られて羨ましい限りです。
    下調べから準備万端で夜通しでの撮影も疲れが吹っ飛びそう、そしてこんな大パノラマな星空を見ると世界観が変わるんでしょうね!
    機材がかなり専門的で、特にフィルターは奥が深そうです。
    普段あまり目にする事のできない天の川、眼福でした

  2. へたれR より:

    こんばんは〜
    ありがとうございます!朝焼けのグラデーションのサプライズで眠気と疲れはぶっ飛びましたが、撮影後の反動はそれはもう…(汗)
    北海道なら素晴らしい大パノラマの天の川が見れそうですが、意外です(偏見)。
    フィルターもですが天体改造機なんてあるのは知りませんでした。K-3の性能次第ではメインのK-1の改造もアリかな?なんて妄想しています(笑)

タイトルとURLをコピーしました